ブログ｜大阪のホスピス型賃貸マンション「アマニカス」

私たちは16年前からこの地域のがん患者様の訪問診療を続けてきました。お世話させていただいた患者様の数は1300人以上になります。

16年前は自宅でがん患者様の看取りをすることは非常にまれでした。
なかなか自宅には帰れませんでした。麻酔科医だった私は、院内でがん患者様に関わることが度々あり、まだお元気な方が、単なる「痛み」だけのために、病院にくぎ付けになっている姿をよく見かけました。お元気と言っても、予後は数か月を予想されていた方々でしたが、家に帰れば、まだ普通に生活できそうでした。家に帰ったらどうですか？と勧めると、痛いから帰れないと言われます。ちょっと痛み止めを調節してあげればすぐ家に帰れそうなのに、本人もなかなか帰ろうとしない。不安なんですね。貴重な時間なのに・・・。あなた、もう時間がないですよと喉まで来ている言葉を飲み込んでそうですかと返事するしかありませんでした。そこには、病院の主治医も看護師もめったに来ない状況でした。病院の中の無医村だと思いました。一方、集中治療室では、80代以上のご高齢な患者様たちが、術後、人工呼吸器に乗って、24時間多くのスタッフに囲まれて治療を施されていました。なんとアンバランスなことだ。癌の末期になると、簡単な痛みでもほかっておかれ、治療となると、どんなにご高齢でも最高の医療を施されてたくさんの医療スタッフが集まる。こんな中で働いていて、私は病院を辞めて、家の側に回ることにしました。安心して自宅に帰れるように、貴重な時間をご家族と過ごせるように自宅を訪問して患者様を支えてあげようと思ったのです。

病院の外でがんの患者様を支えることは大変でした。昼も夜もなく、電話がかかってきます。急変も多いです。夜中の看取りも数知れず。一番大変だったのは、どのご家庭も核家族化しており、しかも老々介護が多かったことです。これは、その地域で異なると思いますが、大阪の北摂の千里ニュータウンと言われる街には、ご高齢者が多く、息子、娘は遠方といったケースが多いです。がんの末期になると、体調も不安定となり、寝たきりになっていきますが、介護するご家族もご高齢なため、介護破綻が起こるのです。元の病院が引き取らないことも多く、病院のホスピスへの入院はタイミングが合いにくい。私たちは、ご家族の背中を叩いて、もう少しだからがんばって！と言ったものです。そうやって、私たちスタッフとご家族は一緒になって苦労して大切な人の最期に立ち会いました。

そんな時代が7年続き、自宅の受け皿としてアマニカスが設立されました。できるだけ自宅で過ごし、しかし、介護破綻したらアマニカスに引き取って、家族も一緒に介護する。手の届くところに医師も看護師もいて、安心して家族はそばにいられる。アマニカスはそんな場所を目指して作られたのです。お部屋はご家族も泊まれるように考えて作られました。アマニカスができて、すでに9年が経ちました。たくさんのがん患者様に利用していただきました。自宅とアマニカスを何度も行ったり来たりした方もおられました。スタッフの負担も軽減しました。真夜中に車で街の中に出かけていくリスクが減りました。アマニカスでは、病院と同じように、複数のスタッフで対応できるため、手厚い医療、看護、介護も可能になりました。アマニカスができて本当によかったと思います。

これからも、困っている方の役に立てるようがんばっていきます。

松永　美佳子

コロナ禍の中、経済と感染予防の両立は大変です。

だんだん、市民の意識はルーズになり、人混みでも平気な状態が増えていっていますが、本当に大丈夫なのでしょうか？

ヨーロッパを見ると、第３波に襲われ、患者が急上昇しています。

経済を優先すると、感染が増えるようです。医療は崩壊寸前になっています。日本は対岸の火事を見るように眺めていますが、火の粉は日本にも飛んでくるのではないでしょうか。

コロナに感染して重症にならなくても、後遺症で苦しんでいる方は多数おられます。副作用は100以上に上るそうです。若い方も副作用に長期間苦しんでいます。やはり普通の風邪ではありません。

慣れてくると、感覚は麻痺します。緊張の維持はなかなか大変です。

しかし、習慣にしてしまえば、マスクも手洗いも苦痛ではありません。よけいな会議もしなくなり、時間の節約にもなります。

冬場は保湿が予防には必要です。アマニカスの各お部屋も保湿に努めます。いつか解放されるまで、我慢比べです。

つらいときこそ我慢です。みんなで声をかけあってがんばりましょう。

松永美佳子

ケアリビング「アマニカス」では、胃ろうや吸引、点滴などの医療処置が必要な患者様を受け入れることが可能です。看護師が24時間常駐しており、医師も日中は1階のクリニックに常駐しています。夜間は24時間体制で皆さまをお守りします。医療と看護、介護が密接に存在しています。

アマニカスには、18部屋あります。21㎡のお部屋が16部屋と42㎡のお部屋が２部屋あります。21㎡のお部屋には、小さいですが、浴室、トイレがあり、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、電気ポット、テレビ、エアコンなど生活必需品がすべてそろっています。それは、ご家族がいつでも泊まれるように考えているからです。

現在はコロナのため、入館制限がありますが、基本的には、大切なご家族がそばに居やすい環境を目指しています。

リハビリも充実しています。楽しいスタッフがいつもお傍で生活を支えます。ぜひ、ご利用ください。

松永　美佳子

千里ペインクリニックでリハビリを担当しています、亀山です。
現在、コロナ禍において外来診療でのリハビリはしておりませんが千里ペインクリニック併設のケアリビングアマニカスにおいて帯状疱疹やヘルニア・狭窄症・すべり症・圧迫骨折・がんの患者様に対し、またそれ以外のすべての痛みに対し各居室を回りその患者様のニーズに合わせた施術をリハビリ担当者3人で対応しています。

リハビリをする時の基本的な動作はまず、触れるという事です。
新型コロナに対してきちんとした感染対策を取ってはいても手取り、足取り身体を密着させての施術になります。こちらからウィルスを「ばらまかない」「もらわない」そして外来に来る患者様からも同様の事が大切です。

日々クリニックの患者様、アマニカスにお住いの患者様に対しても万全の対策で挑んでいます。圧迫骨折の方などは入院当初は痛みで動けない状態である為、ずっとベッド上での安静が続きます。ブロック治療と安静により痛みは軽減しますが苦痛から解放されていくと段々と退屈になってきてストレスが溜まってくる方が多くいらっしゃいます。そういう方々の対応として1日４回15分ずつのベッド上のリハビリを行い同時にお話もしながら身体の回復+ストレス軽減のお手伝いをしています。そうしていくうちにだんだんと悩みや心配を打ち明けてくれたり・・・身体だけではなく心のリハビリも行えるように注意観察をしています。

自宅に帰っても元の状態で生活できるように医師や看護師とも話し合いをしながら入居されている方のリハビリ内容なども週に１回の検討会議で話し合っています。

痛みや苦しみで毎日過ごすことの無いように・・・
自分自身に自信を持ち、明るく過ごせるように・・・

コロナに負けず、新しい生活スタイルで
楽しくはつらつとした日常を取り戻しましょう。